ペトリコールとゲオスミン


ペトリコールとゲオスミン二人の足跡

 

雨を吸い込んだ土の匂い

懐かしい記憶に包まれてゆく

心の何処かにぽっかりと空いた

多分今も何かを探してる途中

 

地上にはまるで前菜のような彩り

薫もみじの葉 まだ密かに残る秋

心をそっと暖かくしてゆく

慎み深いその眼差しで

 

見つめ合って 気持ちは溶け合って

二人は手を取った

でも今夜はもう姿は見えない

あなたのその面影映る場所へ

今なら走っていけそうなの

 

冷たい風を浴びた洋服に

風が教えてくれた 今日生きてること

太陽は陰り雲行きは

怪しくなって もうすぐだよ

 

町中に肩寄せ合う愛の囁きは

どこまでも続いてく 永遠をかたどる橋

あなたも私もどこにいたって

この世界の一部でしょう

 

この場所がマイナス100°cになっても

二人で白い息を重ねて

せーのの合図で姿を消して

 

静かな午後に 静かな午後に

はなればなれの二人がいたよここに

静かな午後に降り注ぐ雨粒

 

ペトリコールとゲオスミン 世界の片隅で