痛みの思想


転んで赤らんだ 傷口にただただ嫌気がさして

絆創膏を一気に 剥がす夜 痛みなんて もうどうだっていい

 

一生懸命に 支えている   この命を簡単に弱らせないで

あたし自身を頼りにして  痛みは味方に 自由は大胆に

 

「痛い」 に想いが傾いて  苦しい 悲しい 不安だよ

その中にある「強さ」に気づけたなら

「痛い」は「悲しい」だけを教えていないことを

繰り返しの日々の中で 少しづつ知ってゆく

 

雨に打たれ 濡れ髪を よそおう 惨めな姿の女優さん

カメラも回らない この世界で

 

弱さも強がりも 贅沢すぎるのかな

でも 些細な一言で 傷ついてばかりの やわな心

 

同じ音だけが鳴り響く部屋の中で

弦を何度も押さえた 指はじーんと痛んだ

確かにここにあった 痛みは

生きるって証を教えてくれていた

 

「痛い」に想いが傾いて...

 

「痛い」に想いが傾いて 苦しい 悲しい 不安だよ

その中にある「強さ」にも 気づけた から

「痛い」はもう「悲しい」だけじゃないことを

もう 知っているから

繰り返しの日々の中で

耐え抜いた日々の中で

答えのない 迷いの中で 

強く 強く光る